Technology Innovation Institute
Haitham Haddadin
先端技術研究評議会(ATRC)の応用研究の支柱である技術イノベーション研究所(TII)は本日、当研究所の量子研究センター(QRC)が世界中の研究者と連携して、汎用性のあるオープンソースの量子コンピューティングプログラミングフレームワークである‘Qibo’の最初のシミュレーション版を開発したと発表しました。
今回の開発は、2020年8月の第1回ATRC理事会以降のTIIによる一連の矢継ぎ早の発表に続くものです。
TIIは、より良い世界を実現すべく、イノベーションの創出に奮闘しています。オープンソースのプログラミングフレームワークの開発は、世界の研究界に説得力のある利益をもたらすでしょう。
Qiboは、グラフィックス処理装置(GPU)などのハードウエアアクセラレーターや複数の量子デバイスのサポートなど、種々のコンピューターシステムでの量子アルゴリズムをサポートするように設計されています。この汎用性により、Qiboは量子プログラミングにとって使いやすいものとなり、研究やアプリケーションが促進されます。PythonやC/C++などのプログラミング言語で記述されたQiboは、フルスタックのプログラミングプラットフォームのエントリーポイントとなり、種々の量子コンピューターや量子シミュレーターで量子アルゴリズムを実行することができます。
Qiboは、量子研究センター、バルセロナを拠点とする量子コンピューター企業のキリマンジャロ・クオンタム・テック、その他の世界的センターの研究者による共同プロジェクトです。TIIの量子研究センターのチームは、主席研究員のホセ・イグナシオ・ラトーレ教授が率いています。Qiboの初リリースは2020年9月に公開されており、最終版は今後2年以内に発表される予定です。
今回の発表について、先端技術研究評議会(ATRC)の事務局長であるファイサル・アル・バンナイ閣下は、次のように述べています。「Qiboがオープンソースであるという事実は、プログラミングの世界にとって大きな利点であり、研究界と科学的追究の発展に大きく貢献するものです。Qiboが他のコンピューテング言語よりも優れていることを示す初期ベンチマーク研究は、技術イノベーション研究所の量子研究センターで現在行われている研究の質の高さを明瞭に示しています。」
量子研究センターの主席研究員であるホセ・イグナシオ・ラトーレ教授は、次のように述べています。「私たちは、境界を越えたイノベーションに傾倒しています。コンピューティングにおける量子の強みは、生命科学から人工知能、金融まで、広範な社会に顕著な利益をもたらすでしょう。」
QRCは、TIIを構成する当初の7つの専門研究センターの1つです。本論文で公開したQiboのコードは、GitHubのリンク[https://qibo.science/]からアクセスできます。
技術イノベーション研究所(TII)について
技術イノベーション研究所(TII)は、先端技術研究評議会(ATRC)の「応用研究」に特化した支柱です。TIIは、応用研究と新時代の技術能力に焦点を当てた先駆的で世界的な研究開発センターです。この研究所には、量子、自律型ロボット、暗号、先端素材、デジタル・セキュリティー、指向性エネルギー、セキュア・システムに関する当初7つの専用研究センターがあります。世界中の卓越した人材、大学、研究機関、業界パートナーと協力することで、この研究所は知識人コミュニティーを結び付け、イノベーションの世界的ハブとしてのアブダビとUAEの地位を強化するR&Dエコシステムの構築に貢献しています。
詳細情報については、www.tii.aeをご覧ください。
量子研究センターについて(QRC)
技術イノベーション研究所(TII)の量子研究センターは、量子通信と量子センサーを進歩させると同時に、MENA地域で初の量子コンピューターを構築・運用することにより、世界クラスの量子の理論的・実験的研究を開発するために設立されました。当センターはコンピューターの能力と範囲を変革する「量子優位性」の達成に専念し、優秀な研究者の国際チームの専門知識に支えられた先駆的な技術の開発を目指しています。詳細情報については、https://quantum.tii.ae/をご覧ください。
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